その後は神保町に移動してらくごカフェへ。玉川太福さんと神田松之丞さんの二人会を観に行きました。曲師は玉川みね子師匠。今回のテーマは天保水滸伝特集。前回の相撲噺特集がとても、とても楽しかったので、今回も足を運んだ次第ですが、期待通りたっぷり楽しませていただきました。
『天保水滸伝』を浪曲と講談でリレーしていくという趣向で、まず太福さんが『相撲の啖呵』、そのあと松之丞さんが『平手の破門』『鹿島の棒祭り』仲入りを挟んで太福さんが『蛇園村の斬り込み』、松之丞さんが『平手の最期』のダイジェストと『三浦屋孫次郎の義侠』という構成でした。会場に置かれた太福さん・松之丞さんが関わる会のフライヤーの束の中に、『天保水滸伝』の舞台である東庄町の観光パンフが挟み込まれてあったのですが、これが物語のあらすじやマップの載った優れもの!俄仕込みではありますが、話を追うのにとても助けになり有りがたかったです。『天保水滸伝』の成り立ちや結末までのあらすじに関しては太福さんが一席目のマクラでも触れてくれました。
笹川繁蔵が力士を廃業し侠客へと転じる経緯を描く『相撲の啖呵』は以前に松之丞さんが読むのを観たことがありますが、太福さんバージョンの『相撲の啖呵』は講談と浪曲の違いを差し引いても全然違うのでビックリ。後から上がった松之丞さんも「ウチが持っているものと全然違う。繁蔵も何か楽しそう」とマクラで触れていました。太福さんが私生活で遭遇した災難を入れ込んだクスグリが気の毒だけど大ウケ。みね子師匠も思わず笑顔になっているのが印象的でした。
松之丞さんの『鹿島の棒祭り』は深夜寄席で初めて松之丞さんを観た時(=講談初体験の時)に演じていたお話。つい先日も末廣亭の7月上席で観たばかりですが、何度見ても面白い。そんな自分の中でお馴染みキャラとなりつつある平手酒造が今度は浪曲で活躍する太福さんの『蛇園村の斬り込み』も楽しい一席。生きるか死ぬかの修羅場でも相変わらずお酒は欠かさない平手に笑みが零れますが、再び松之丞さんが高座に上がっての『平手の最期』ではその平手の壮絶な散り様が……(´;ω;`)
最後は繁蔵も非業の死を遂げ、三浦屋孫次郎の毅然たる振る舞いにどうにか首だけは子分たちのもとに戻るものの、笹川一家の前途が暗澹たるものであることを強く想起させて終わりました。ううむ堪能。『天保水滸伝』はこれまでは松之丞さんの演じる『相撲の啖呵』『鹿島の棒祭り』でしか知らなかったのですが、今日一日でだいぶ詳しくなりました。というか、このお話は基礎知識として知っておくべきものですね。勉強しないと……とりあえず太福さんが触れていたこの本
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