2015年5月1日金曜日

5/1 五派で深夜@新宿末廣亭

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Canon PowerShot G15

落語協会、落語芸術協会、上方落語協会、圓楽一門会、落語立川流の5団体の若手が一同に介するイベント。開始30分前に到着した時点で、既に待機列が相当な長さに達していて驚きました。最終的には立ち見も大勢出る大盛況。自分は下手側の桟敷の割と良い位置を取れました。

以下の順番で登場。開演前に皆でジャンケンで出演順を決めたとか。
三遊亭鳳笑 (圓楽一門会)『猫と金魚』
立川吉笑 (落語立川流)『舌打たず』
初音家左吉 (落語協会)『町内の若い衆』
神田松之丞 (落語芸術協会) 『寛永宮本武蔵伝 山田真龍軒』
桂三度aka世界のナベアツ (上方落語協会)『寿限無』

芸協の真打披露興行が行われている末廣亭。高座上には芸協の後ろ幕が飾られ、夢丸さんたち新真打に贈られた花がところ狭しと並べられています。既に客席は満員で、開演を今か今かと待ちわびる熱気と、何やら落ち着かない雰囲気が入り混じった不思議な空気感の中、トップバッターで圓楽党から鳳笑さんが登場。しかし何かがおかしい。鳳笑さん自らが座布団を持って高座に上り、しかもマイクが出てない!楽屋は混乱していたようです。しかし始まってしまったものは仕様が無く、そのままマイク無しで高座を務めた鳳笑さん。生声でも場内隈なく音が届くぐらいによく聞こえ、期せずして噺家さんの凄さを実感しました。熱演でしたが混乱のままに始まった空気を引きずってしまい、?マークが出たまま終了。サゲでは強引な三段オチで笑いを取っていました。

続いて立川流から吉笑さんが登場。シブラク以来、見るのは二度目です。ようやくマイクがセットされ、開口一番「やっぱり圓楽党と立川流には厳しいんですね……」で場内大爆笑。演目は自作の『舌打たず』でした。シブラクで見た時に物凄い早口なのに驚いて、これはデフォなのか、それともたまたま走ってたのか、と思っていたのですが、この日も超ハイテンポで言葉が溢れ出てきていて、成る程これがこの人のスタイルなのでしょうか。バンドに例えるならNUCLEAR ASSAULTみたいな感じ。舌打ちとジェスチャーで感情を表現するという八っつぁんの試みにご隠居が巻き込まれていく話。いつの間にかお婆さんも一緒に並んで感情表現のパターンを覚えさせられているのが笑えます。

落語協会から左吉さんが登場。しかしここで場内の空気が再びクールダウン。笑いは散発的で、それ以外は静まり返ったまま時間が過ぎて行きました。ところでこれは自分の見間違いなのかもしれませんが、左吉さん、この翌日の5/2にNHKで放送されていた忌野清志郎の特番に一般人として写り込んでいた気がします。

再び微妙な空気が漂ってきたところで講談師ながら芸協の代表として松之丞さんが登場。最前列の馴染みの客いじりや、過去に別の会でも聞いたマクラ(素人の頃は高座で著書やCDの宣伝をする噺家が嫌いだった……という話からの自身のDVDの宣伝)など、使える弾を総動員して場を盛り上げている感じがしました。十分に客席を温めたところで古典をじっくりと。鎖鎌に偽装できる尺八って何だよ!?とかツッコミの念も湧かないではないですが、真剣勝負の息詰まる描写に引きこまれます。寄席が静まり返る時に、ネガティブな沈黙とポジティブな沈黙があるんだなあと関心しました。さあこれから武蔵はどうなるのか!といういいところでお時間が来ました。

最後に登場したのは上方落語協会から桂三度。「凄い!ナベアツだ!」とまずはミーハーな反応をしてしまいます。もしくは「凄い!ジャリズム渡辺だ!」マクラでは落語の代表的な演目や、有名な洋画を限界まで短縮するというネタを披露。『時うどん』の話もしていましたが、3でアホにはなりませんでした。この位置でやるようなもんじゃない噺をやります、のびのびやらせて貰います……という事で、演目は『寿限無』!クライマックスの両親のセリフがテープの早回しのようになるのが面白かったです。

盛り上がり的には山あり谷ありでしたが、貴重な、楽しい会でした。終演後は松之丞さんのDVDを本人から直接購入。なんとサインも貰っちゃいました。これは家宝にするんじゃグフフ。

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