2009年6月21日日曜日

ルルル山あり谷ありラララ

TBS全国ネット中継と雨は鬼門ッスね、今日の試合は大雨で中止になったという事にして忘れます。前半戦、あと負けるとしたら広島ぐらいかと思ってましたが・・・まあ強いトコにポンと負けるよりは安牌に不覚を取った時の方が膿みも出し易かろうて・・・。

2009年6月18日木曜日

『チェイサー』

観てきた@銀座シネパトス

何か凄いトコにある映画館でした。銀座は銀座だけど・・・4車線の道路の下を潜ってる地下道があって、そこが横町みたいになってるんですね。そこにある映画館。当然ながらド狭くて、しかも客席の傾斜が全く無い構造だったんでちょっと首が痛くなったり。『ヘルボーイⅡ』を観たミラノ座の隠し面みたいなトコも衝撃でしたがココも中々のモンでしたよ。雰囲気は良かったですけど。

で、『チェイサー』。韓国映画です。原題は『追撃者』。コレはヤバいですねえ、想像以上にビンビン来ましたよ、僕は大好きですこの映画。どんな話かっちゅうと、まず主人公がいるんですがコイツがあまり上等な人間じゃ無いんですね、刑事だったのがドロップアウトしてポン引きやってセコく稼いでるっていう。で、ある日雇ってるデリヘル嬢が居なくなっちゃうんですね。そこでコレはどうも誰かがウチの女をとっ捕まえて他に売り飛ばしてるんじゃねえかと独自に捜査をするんです。そしてここでもう一人の主人公が登場するんです。写真の人。コレがもう真性のドキチガイでして、呼んだデリヘル嬢を次々と自分が住んでる豪邸に連れ込んではとんでもない方法(観てのお楽しみ)で殺害して庭に埋めとるっちゅう大変なシリアル・キラーなんです。で、この二人のドラマが随所で交錯しつつ、お話は救いの兆しをチラチラと覗かせながら嫌な方へ嫌な方へとどんどん突っ走って行くんですね。二転三転、まだ終わらない、まだ続く、そろそろいいでしょもう堪忍してみたいな。

重苦しい事この上ない映画なんですが、脚本・演出共にクオリティは抜群です。監督のナ・ホンジンはコレが長篇デビュー作という事で初っ端から随分とエラい仕事をしたもんだと感心しちゃいます。どんだけ才気溢れるご尊顔なのかしらと思って写真みたら朴訥とした兄ちゃんで意外でしたが。見た目の凄惨さ以上に精神に来るダメージがデカい残酷シーンとか、NG殆ど出さずに撮ったとか、遠景の使い方とか、ちょっとイーストウッドっぽいかなと思ったり。あの方よりはだいぶ緻密ですが。あとは何といってもキチガイ役の俳優さんの演技ですね。ハ・ジョンウって人なんですが、憑依タイプの怪演・名演で結構なインパクトを残してくれます。去年仲間内で『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ=ルイスと『ノーカントリー』のハビエル・バルデムと『ダークナイト』のヒース・レジャーを一纏めにして、「もしこの三人が一緒に飲んでたら」みたいな感じのシチュエーションネタを作って遊んでたんですが、この『チェイサー』のハ・ジョンウの演技もこの系統に入る感じですね。あのトロンとした目付きはまさに人殺しの眼ですよ。あんまり強烈なんでこれから先こんな役ばかり回されてしまいそうでいささか心配になりますが、ちょっと気に掛けておきたい俳優さんです。

カンヌでも大評判になって刑事プリオがハリウッドリメーク権を買ったとかで、そっちの展開も気になりますね。しかしこの映画、韓国ではR15指定なのに500万人動員の大ヒットだったそうですが、それはそれでちょっとビョーキでねえかと思ったり。でもこの映画を母国語で楽しめるってのは素直に羨ましいなあ。

2009年6月14日日曜日

ナビスコ杯予選リーグ第7節 浦和 vs 大宮

観てきた@埼玉スタジアム2○○2

一応負けor引き分けで突破というパターンも無いでは無かったんですが、勝てば100%突破でしかもダービーな訳だから勝利あるのみ!そんな意気込みで後輩N氏と観に行きました。席に向かう前に腹が減っては戦が・・・的なノリでスタジアム敷地内の屋台でシュラスコとソーセージの串焼きを購入。陽気なブラジル人のおばちゃんに「コレお薦めヨー、キャッサバの粉なノー」とオガクズみたいな粉をバサバサまぶされる。製材所の前のオガクズの山でカブト虫やクワガタを捕まえまくったあの夏の日の白昼夢が脳裏にプレイバックしてきて意識が遠のきかけましたが、そうこうしてるうちに選手紹介アナウンスが流れ出したので大急ぎでバックアッパーへ駆け上がる。この時期2階席は風が気持ち良かといい塩梅ですたい。

試合ですが・・・試合以前のトコで色々とゴタゴタしてるみたいだし、大宮はやる気があったんだか無かったんだか。途中で心が折れたのは間違いないですね。前半は割と締まったゲームで、まあ押してるのはレッズでしたが向こうにも枠には飛ばないまでも結構シュート撃たれたりして、楽勝ムードって感じでは無かったですね。で、そうこうしてる内に前半38分、電撃スタメンの山田直がDFの裏へスルリと抜け出してワシントンを髣髴とさせる華麗な捌きでGKを外してゴール。オフサイド?に見えたんですがまあ、審判がゴールと言えばゴールです。実際細貝のパスの時点では直輝はオフサイドにはかかってないですしね。問題は原口が触ってるか触ってないかでしょう。オーロラビジョンも心得たモノで試合終了後のハイライトではシュートのトコだけ流してました。まあでも、仮にアレがオフサイド判定だったとしてもスコアが多少締まっただけで勝敗には関係無かったんではないでしょうか。

後半に入ってからはレッズが攻めっぱなし。6,7分辺りに細貝のパスに反応した高原へ藤本が逆噴射して退場&PKゲット。これをエジがしっかり決めて2点目。今年ついに手に入れたマイデジカメ、セットプレーの度に動画を回してたんですが中々ご縁が無く、この日初めてゴールシーンを映せました(笑)。


bloggerの動画アップロード機能を初使用。元々の映像の問題もありますがちょっと汚いですねー。処理を工夫したらもう少しマシになるかな?しかしエジはPKが上手い。

そしてこの動画の撮れ具合を確認していたらアレヨ、アレヨの間に3点目が入ったという・・・。その5分後には高橋がタックルでボールを奪い細貝へ、そこからパスを受けた初スタメンの永田
が深く抉って折り返したボールをエジが叩き込んで4点差。その後は試合もスタの雰囲気もガバガバになってきちゃいましたね。大宮の藤田・石原のJ2上がり2トップが奮戦し始めたトコに折からの暑気に当てられた山田暢のチョンボが重なって失点。その後山岸のファインセーブからの高速カウンターでラストは原口が狙い澄ました芸術的なシュートを決めて、やれやれこれで格好が付いたなと思ったらまた凡ミスから失点。ユルい試合だなあと思ってたら後半ロスタイムにとても1部チーム同士の公式戦とは思えないレッズ選手たちの大宮をあざ笑うかのような鳥籠パス交換から一気にセルヒオが加速して抜け出し、折り返したトコを暢久が帳尻合わせのゴールゲット。これにて一件落着。広島が何故か磐田に負けたので、見事予選リーグを一位通過。お次は清水ですよー。

失点はやや頂けませんでしたが、リーグ戦で点差が開いてない局面であんなにテンションがダルダルになるとも思えませんし、まあここは素敵なゴールショウを素直に楽しんでおくのが正解ですかね。しかし今年のナビスコは実り多い大会です。ケガやら代表やらで人がいなくなった時はどうなる事かと思いましたが・・・若手の台頭、戦術の浸透、いい事ずくめではありますが、従来のレギュラー陣が復帰してくるとやや困った事も起きそうで怖いですね。特にフィンケの理想形の一端を成すと思われるあの高ーいDFライン、山田暢と坪井のCBバックコンビだからこそ出来たと思われるあのラインが失われるのは余りにも惜しい気がします。闘莉王にあれが出来るかどうか・・・彼が日本に戻ってきたら例の4バック連携緊縛トレーニングをみっちりとやってもらわにゃいけませんな。あと細貝の処遇も・・・啓太と細貝の組み合わせが一番スムーズに見えるんですが、そうなると阿部を左SBで使うんかという話になってそれはそれでまた大層MOTTAINAI話になるし・・・まあフィンケ先生ならきっと最適の答を出してくれる筈ですから、心配するよりも楽しみにして待つ事にしましょうか。


ちなみにキャッサバの粉はソーセージにはとても合いましたがシュラスコには・・・『美味しんぼ』でマグロの刺身に黄粉をまぶしたのをとある料亭で出されたけどあんなのロクなモンじゃねえ・・・みたいなエピソードあるじゃないですか、オイラは実際にマグロ黄粉を食った事は無いですが、まあ多分こんな感じなんだろうな・・・みたいな感じでした。次からはあの粉はソーセージだけにしてもらおう。

2009年6月13日土曜日

イ・ビョンホンが手裏剣投げたりエッフェッル塔をへし折ったりする動画

20年ぐらい前のこち亀で両さんが血相変えて探してたオモチャ『G.I.ジョー』。マニアが集めてる軍人フィギュアってイメージが強いんですがあれは本国アメリカではアニメにもなってたりしてて、なかなかメジャーな存在だそうなんです。日本でもアニメ版は流れてたらしいんですが俺は全く記憶にございません。



で、その『G.I.ジョー』が今夏実写映画化されるんです。タイトルは『G.I.JOE -The Rise Of Cobra-』。The Rise Of Cobra!ですよ奥さん。すげえサブタイトル。で、そんな『G.I.JOE』にはあの韓流スターのイ・ビョンホンが悪役サイドの結構出番のある役どころで出てるんです。



お?お?コレはちょっと凄いんでねえか?ビョン様に対する高感度がモリモリ上昇します。オイラの母親は韓流に造詣が深いんでそれとなくビョン様の人となりについて聞いてみたのですが、何でも日本で言うなら慶応レベルのメチャ頭のいい大学を院までやって卒業してる知性派で、出演する作品も凄い吟味して出てるアタマの良い俳優との事。という事は頭が良いのに自ら進んでこの役を演じてるということですね。素敵です。レザー姿でセクシーメガネの悪役お姉さまはもっと素敵です。



何かネタ映画みたいな調子で書いちゃってアレなんですが、予告篇見る限りではこの映画ガチで面白そうなんですよね。今年はスタトレとターミネーターとトランスフォーマーがタテ続けに公開されるという三大SFスペクタクル地球最大の決戦状態なんですが、この映画も見逃せねえですよ。下半期公開映画の台風の目ですな。


明日はナビスコ杯予選のクライマックスですねー。しかもさいたまダービー。大宮はキャプテンが造反した挙句にレンタル放出されたり二試合で合計10点取られたりと何やらしっちゃかめっちゃかですが、そういうチームに苦戦して上昇のきっかけを与えてしまうというのがレッズには割とありがちなので若干不安はあります。それでなくてもレッズとやる時の大宮は何故か通常時の数十パーセント増で挑んできやがりますし。ただまあ相手チームの監督の頸に致命傷を加えるというのもまたレッズのお家芸でありますから、そっちの得意技が発動すると信じましょう。フィンケ先生も堀之内の左サイドバックやら山田直の電撃ベンチ入りやらと予選突破に向け気合十分のようですし、明日は楽しみですばい。

2009年6月7日日曜日

『ターミネーター4』

観てきた@新宿バルト9。

『T3』は殆ど無かった事になってるんだから原題どおりに『ターミネーター:サルベーション』にすればいいのに・・・

とりあえず結論から先に申しますとこの映画は傑作です。いや、あんまりヒドいんでギャグでそう言ってるとかじゃなくて、冗談抜きでド傑作、1年に1、2本出るか出ないかレベルの滅茶苦茶面白い映画です。個人的には今年上半期ベスト1にしてもいいくらい。俺はこういう映画が観たかった。しかしどういう訳かこの映画、あんま評判が良くないんですよね・・・そして興行成績もいささかコケ気味という・・・いやね、何となく察せはするんです。

1. 監督の人選(チャーリーズ・エンジェルのマックG)
2. “キャメロンの関わらないターミネーター”に対する拒否反応
3. リアルタイムで『T1』『T2』を観てた人らの思い入れ&思い出補正

けなしてる人らはこの辺の要因がもう映画本編観る前からビンビンに頭の中で渦巻いてたでしょうし、ある意味ハナから負け戦であったのかもしれませぬ。せめてこの映画が『T3』であったなら“新たなる『ターミネーター』シリーズの幕開け”としてそれなりに受け入れられたんでないかとは思いますが・・・。
あと『T2』ってバカの癖に頭良い人ぶってる奴らがあえてバカのポーズをとる時に使う定番のアイテムってイメージあるんですが、そういう奴らってこの映画をしたり顔で貶してそうな気がして、もし実際にそういう人非人に会ったらマックGに代わって僕がお仕置きを加えてやる!みたいな訳の分からない義憤が昨日の夜からずっと頭を離れなくて少し困ってます。これがいわゆる“無かった事”にされてしまうのは本当にもったいないと思うんだけどなあ・・・「やっぱりアメリカ人はわかってねえなあ!」と一緒に観に行った人達と夜の新宿を歩きながら嘆き通しでしたよ。ホント、観る前から結論出して劇場での鑑賞を見送ろうと思ってる人達はマジで考え直して頂きたい。カッコ良いビジュアル、手に汗握る緊迫感、血沸き肉踊るアクションが満載の普通にクソ面白いSF超大作ですから。旧シリーズフアンへのサービスもバッチリ盛り込まれてますしね(しかも単体でポンと置いてあるのではなく、ストーリー上でちゃんと生かされてる)。少なくとも個人的には『スター・トレック』より遥かにレベルの高い映画だと思いましたよ。評価・興行共にエラく水を空けられてはいますが、俺は断然こっちの方が好きですね(スタトレが嫌いって訳ではないです。念のため)。

以下ややネタバレ含有

何が良いってまずはとにかくビジュアルのカッコ良さですね。「あんな死ぬほど苦労したのに結局スカイネット出来ちゃったのかよ!ダイソンさん犬死にじゃん!」と絶叫したくなるぐらいの世界の滅亡っぷり&ターミネーターの順調な進化っぷりは必見です。聞くところによるとマックGはビジュアル関連のスタッフに以前このブログでも紹介したコーマック・マッカーシーの『THE ROAD』を読ませて「こんな感じの世界観で!」と言ったらしいんですが、成る程、塵っぽい&微妙にセピア調の空気感とか、荒廃しきったサンフランシスコのセットとか、そういう“審判の日以後”の雰囲気が凄い出てます。あとターミネーターも人型だけじゃなくてバイクみたいな奴、ガンシップみたいな奴、ヤツメウナギみたいな奴、ドデカい奴・・・etcと対人間用の用途に応じた色んな種類の奴らがいて、そういうバケモンどもが映画全編通して出し惜しみ無くチャンベール演じるジョン・コナーやその他人類解放軍に襲い掛かってくるもんですからもう堪りません。夢に出てきそう。人類解放軍も負けじと飛行機なんて飛ばしちゃったりしてねえ、空中戦とかあるんですがコレも良いんですよ。その他にも冒頭の舞台になるデカいパラボラがニョキニョキ建ってる荒野とか、FFⅦのミッドガルを洋風センスで無骨に洗練したようなスカイネット本部とか、こちらの琴線に触れる美味しいビジュアルが目白押しでしたよ。

上にも書きましたが今回ジョン・コナーを演じたのはクリスチャン・ベール。長身の二枚目で、高い演技力に加えて高難度のアクションもこなせて、カリスマ性もたっぷり。人類の希望を託すにはうってつけの俳優ですが、その一方で「エドワード・ファーロングがどう成長したらチャンベールになるんだよ」という違和感がどうしても拭えないんですね。で、それを引き摺ったまま物語も終盤に差し掛かった辺りで、ジョンがおもむろに
Guns N' Rosesをラジカセで掛けるシーンが出てくるんです。そう!“You Could Be Mine”を!



ちょっと冗談抜きで感動しちゃいましてね、「ああ、こんなメチャクチャになった世界で、次の瞬間にはターミネーターに殺されてしまうかもしれない危険と常に隣合わせの世界で、半ば定められた運命とはいえ人類を導く使命と重荷を背負わされて、身重の女房と大勢の部下と、世界中に散らばってる人類の命に対する責任を常に思考の第一に置いて生きてる。そんな大変な状況下でもジョン・コナーはガンズを聴く事を止めていないんだ」っていう、これこそが“音楽の力”だよ!みたいな感動を感じましたよ。作り手的にはファンサービスの一環で入れただけかも知れませんが、アレは本当にいいシーンで、「ああ、こいつはまさしくジョン・コナーだ」とそれ以降は完全に受け入れる事が出来ましたね。

ちょっと長くなってきたんで今回はこの辺で。どうせ最低あと1,2回は観ると思うんで近い内にまた書きます。

2009年6月4日木曜日

離脱者が多すぎじゃなかろかルンバ

ぐぬぬ・・・今度はアレックスですか・・・まだクラブから正式な発表は無いですが、古傷がぶり返したのならコトですなあ。来週土曜までに誰か戻れれば良いですが、もし叶わなかったら控えにGK二人なんてコトになっちゃったりして。まあ平川と原口は確実に戻れるでしょうけど。

しかしこんな緊急事態にもかかわらず連勝出来たのは大きいですね。山岸のビッグセーブ連発が無かったら負けてたかもしれませんが。アレックスの負傷交代で公式戦初出場を果たした永田、今年ユースから昇格した五人衆の中で、直輝・峻希・水輝・元気と来て彼だけ“拓也”と「~キ」が付かずに仲間外れ。まあそれは関係無いにしても一人だけ公式戦出場どころかベンチ入りも稀で存在感がやや薄めだったんですが、昨日の堂々たるプレー振りで一気にかねてからの懸案事項となっているフィンケ先生曰く“工事現場”の左サイドバック戦線に名乗りを上げましたね。レッズでは貴重な左利きですし、彼が使える目処が立つというのは大きいですよ。前に“山田暢を髣髴とさせる”みたいな紹介文を見た覚えがありますが、確かに
身体能力が高いですね。ガタイは暢久より大分小さいですが

しかし今回のナビスコ予選リーグは変則すぎてややこしい。しかもジュビロと新潟が負け過ぎて(あと大分が分けすぎて)上位がダンゴ状態。しかもレッズは次節お休みですしねー。とりあえず大宮に勝てば文句無しで決勝トーナメント進出なんでしょうが、広島が連勝しちゃったら二位通過ですね。土曜はネット速報に釘付けですな、横浜と大宮が分けて広島が負けるのが一番ステキなパターンですが。

2009年6月1日月曜日

MAGMAの2009年来日公演に行ったでござる の巻

行って来ましたよ@渋谷ON AIR EAST

MAGMAの来日は2005年以来。そん時はO-EASTとクアトロでしたな。オイラも二日続けて見に行きましたよ、ステキな思い出です。今回は関東については
O-EASTで二回と、リーダーのクリチャン・ヴァンデのソロ公演が一回。その中で今回は28日の来日公演に弟と二人で行ってきました。今回はイス席全席指定という事なので、開演まで余裕があるので適当に渋谷で時間を潰そうかなーなんて思ってたんですが、なんかアホみたいに雨が降ってて出歩こうにも出歩けんような状況だったのでO-EASTの入口付近で弟とだらだらとダベって時間を潰してたら・・・なんと僕らのすぐ傍をクリスチャン・ヴァンデが通り過ぎるというサプライズ!スーッと現れてスーッと消えてく感じだったんで、周りの人たちも「あ、あれ?」みたいな感じ。僕の隣にいた弟なんて全く気付いてませんでしたしね。あんな近くで見る機会に恵まれるとは・・・もうけたもうけた。何故か野球帽を被っててアレは何なのかしら・・・と思ってたらライブが始まって納得。ヴァンデ総帥、てっぺんハゲが進行しておられました(笑)。こればっかりは食事でも筋トレでもどうしようもないからなあ、明日は我が身ですし。でもお腹はもう少し絞った方がいい気がしました、あれこそが年齢を感じさせないハードヒッティングの源泉なのかもしれませんが。コーラス隊を束ねる奥方のステラ・ヴァンデは前回見たときより随分ほっそりしてましたし。

MAGMAがどんなバンドかについてはとりあえずwikipediaとか。レコードデビューは1969年というフランスの(今も進化を続ける)老舗バンドです。ジャンルとしては便宜上プログレッシブ・ロックとかジャズ・ロックに括られる事が多く、僕もiTunesに入れる時はジャンルを“Progressive Rock”にしちゃってますが、実際にはもうロックと呼んでいいのかすら怪しい、極めてオリジナルな唯一無二のマグマ・ミュージックとしか言いようの無い音を鳴らしています。ジョン・コルトレーンの熱烈な信者だったドラマー、クリスチャン・ヴァンデがコルトレーンの死に大きなショックを受けて放浪の旅に出た中で“道半ばにして世を去ったコルトレーンの仕事を自分が受け継ぐ”という啓示を受けて結成したバンドで、最大の特徴はヴァンデが創造したオリジナル言語“コバイア語”で歌う事。人工言語っていうと何だか仰々しいですが、要はフランス語というジャンル上の制約が大きい言語が母国語というハンデを補うと同時に、言語とかを超えた魂を伝えるために心の赴くままに放つ言霊とでも申しましょうか。音楽面の特徴は普通のバンドでは前面に出てくるギターや鍵盤がどちらかというと控えめで、ドラムとベース、そして男性ボーカルと女性コーラス隊による分厚い“声”が中心となってることでしょうか。とりあえず現物を見てもらうのが手っ取り早いッスかね。




※この時期の編成のアヤでツインドラムになってますが普段は一人です。長髪の方がヴァンデ。

彼らの伝説的なライブ盤『ライヴ!』(『
Live Köhntark』とも)はありとあらゆるロックにおけるライブ盤の中でも間違いなく10指、もしかすると5指の一つにすら入るんでないかという名盤中の名盤であり、冗談抜きで聴かずに死ぬのは損の域に入る一枚(二枚組だけど)なんで、多少なりとも興味を持ってくれた方は是非とも聴いてみて頂きたいです。で、気に入ったらスタジオ盤の方に手を出して貰えたらなおステキ。スタジオ盤から入りたい方は『M.D.K.』というアルバムがオススメです。ちなみに『ライヴ!』に関してはユニオンで買わないとひどいパチモンを掴まされるかもなので要注意。

で、今回のライブについて。前回来日時からメンバーに変動があって、ボーカルと二人いるキーボードがチェンジ。あとコーラス隊が一人減ってましたね。新メンバーでやっぱ目立つのは新ボーカルのHervé Aknin(どう読むんだろ)ですかね、聴いた限りでは音程は上から下まで中々広いですが前任者と比べてちょっと声量が少なかったかなあ、と。ただPAや座席の位置の問題もあるんで一概には言えませんね。ガタイのいいアンちゃんなんですが動きがちょっとコミカルで面白かったです。女性陣と同じぐらい高い音を出す場面なんかもあったりして、あれはこれからの新しいウリになるんでしょうか。あと新らしいキーボード担当は片方はずいぶん若い子に見えましたが凄い弾きまくってて、アンサンブルの一員としても飛び道具としても中々いい感じです。あともう片方のキーボードの人は鍵盤よりも鉄琴叩いてる時間の方が長い感じでした。これからは鉄琴がフィーチャーされる場面がふえるんでしょうか。

今回は40周年記念という触れ込みでしたがだからといってグレイテストヒッツみたいな内容ではなく、これから発表されるスタジオ盤に収録されるであろう新曲をメインに据えたセットリストでした。最大の目玉は30年前から様々な場面で断片が発表されてきた超大曲“Ëmëhntëht-Rê”が、今回は50分の完全バージョンで演奏された事ですかね。個人的に一番気に入ったのは新曲の“Felicite Thosz"。30分ぐらいある大曲で、ステラがリードを取る部分が多く設けられた、今までのマグマには無かった感じの曲調のキレイな曲でした。後半にはヴァンデが歌うパートも設けられていて、ラストのインストパートの盛り上がりもかなりテンション高め。スタジオ盤に収録されるのがいつになるのかは分かりませんが、かなり期待できる感じでしたね。芯の部分をブレさせることなく新しいカタチを作っていってるのは本当に凄い事だと思います。御齢61歳のヴァンデは絶好調で、ド迫力のドラムに加えて要所要所で声量・表現力・キレっぷりが更に増した感のある魂の歌唱を披露してくれてこちらはもう圧倒されるばかりでした。腕も声も相変わらず太くて、あの分ならまだまだ活躍出来るんじゃないでしょうか。あと感心したのは弦楽器隊。前回見た時は確かに上手いけど・・・ちょっと目立ちすぎと違うかなあ、と少し違和感を感じてたんですが、今回は音数は減ることなく、しかしより全体に溶け込んだ素晴らしいプレーを見せてくれました。特にベースのPhilippe Bussonnetのプレーは本当にハンパ無い。過去に在籍した名ベーシスト達と比べても決して引けはとらないと思います。

二時間半近くタップリと楽しませて貰って本当に大満足でしたよ。高校生の弟もマグマ初体験でしたがかなり感動してたみたいです。しかし欧米の方々ってのは齢を取っても衰えるって事がありませんなあ、去年からコーマック・マッカーシーの小説とかイーストウッドの映画とか、70をとうに過ぎた爺様たちの作品で感動させられる事が続いてます。「こんなおじいちゃんに感じさせられて・・・悔しい!」みたいな。あれだけ肉食ってる宮崎駿ですら衰えが隠せない(まあスカイクロラだの何だの、他のどうしようもないのと比べたら観れる分だけ圧倒的にマシなんですが)のを見ると、やっぱ体の作りとメンタルの強さが根本から違うんですかね。ヴァンデは還暦過ぎたばかりですし、まだまだ僕らを楽しませてくれるんじゃないでしょうか。次のスタジオ盤と来日公演が今から楽しみでなりません。

マグマTシャツに新顔(左の方)が仲間入りしましたよ。ウフフ、見てるだけで顔がニヤけて来ます。