2009年5月15日金曜日

ついに公開!『THE ROAD』の予告篇

『サラマンダー』見ながらボサッとネットサーフィンしてたら・・・ついに来ました!来ましたよ!コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』の映画化作品のトレーラーがようやく公開されたとですよ!

『THE ROAD』がどんな作品かについてはアマゾンとか朝日新聞の書評とか、あとはまあ適当にググッたりしてくだされ。そして興味が持てたら買って読んでくだされ。著者のコーマック・マッカーシーは『ノーカントリー』の原作なんかも書いてる現代アメリカを代表する文豪の一人であります。いわゆるポスト・アポカリプティックフィクションってヤツで、『マッドマックス』とか『北斗の拳』チックな文明滅亡後の近未来の北米大陸を舞台に、主人公とその息子が何とか助かる道は無いものかと延々と南に向かって旅を続けるって話です。で、この小説が凄いのは劇中の世界の滅びっぷりがハンパ無い事。空からはしょっちゅう黒いチリの混じった雨や雪が降ってきて、それが止んでる時も太陽は出ず
常に重く雲が垂れ込めてるし、陸地はどこも漏れなく一木一草も生えない不毛の地。人間以外の動物は殆ど完全に絶滅してて、当然ながら人間も絶滅寸前。勿論そんな状況だから食い物は殆ど無いんで、ならず者達は人間を食って飢えを凌いでる・・・という、それはそれはもうエグいお話です。ただアメリカではベストセラーになってピュリッツァー賞をもらってる訳で、単なるキワモノ小説ってんでは無いですよ。残酷な内容に辟易して読めないって人は居るかもしれませんが。

主演はヴィゴ様で、監督はオーストラリア人の若手ジョン・ヒルコート。この人が監督したガイ・ピアース主演の『プロポジション』って映画は日本じゃご覧の通りDVDスルーなんですが、これが滅茶苦茶面白い。開拓時代のオーストラリアが舞台で、何やら悪さをして逮捕された兄弟ギャングの兄の方が、「弟が死刑になるのを免れたければ今は袂を分かった長兄をブチ殺して来い」と迫られ、已む無く単身オーストラリアの奥地へ極悪賞金首の兄貴を探す旅に出るって話。

オーストラリアの自然を生かした印象的なビジュアルとか、ドラマ部分の細かな心理描写など、この監督の才気を感じる部分はそこかしこにあるんですが、何よりも印象に残るのは凄惨極まる暴力シーン。このDVDを観ると「まさに『THE ROAD』を撮るために生まれてきたような監督!」と興奮するんですが、同時に“やり過ぎ”てドエラい事になりはしないかと心配になります。で、実際に『THE ROAD』は元々去年の暮れに公開予定で、とっくに撮り終わってたのに、配給会社と何やらモメてしまい結局今年の10月に公開がズレ込んでしまったという・・・長く待ち申した。多分日本での公開は暮れ~来年アタマにかけてですかね、楽しみ楽しみ。

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