2011年10月21日金曜日

ハチの諸々の効能について



 「何も無い」が有った一日。要するにバイトに行ったぐらいで後は何もしてない。

 先日、このような本を読みまして

 どんな本かというと、5,6年ぐらい前から北米で次々と養蜂家が飼っていたミツバチが一夜にして忽然と姿を消してコロニーが全滅してしまう奇妙な現象が起こるようになった。ハチが居なくなるというのは何もハチミツが取れなくなるだけじゃない、アーモンドなどの作物の大規模なプランテーションは収穫までの過程においてハチによる受粉が必要不可欠で、これは農業全体の死活問題になる。ハチが失踪する原因を突き止めなくてはいけないけど、さてそれは一体全体何なのか……農薬による土壌汚染かもしれないし、ダニ駆除用の薬かもしれない。そもそもミツバチを人間の都合に合わせた不自然な環境で繁殖させるのが良くないのかも知れないし、単一の作物しか存在しない農場でミツバチを働かせるというのは必然的にハチが蜜や花粉から得る栄養が極端に偏るという結果を招き、ハチが栄養失調に陥るのは想像に難くない……等々、疑いだせばキリがないけど、結局現状ではどれか一つに絞ることは出来ない。ミツバチが今置かれている危機はおそらくはこれらの要因が複雑に絡み合った末に起きている事であり、それは養蜂や農業といった枠組みを超えて、これからの人間と自然との関わりに重大な示唆を与えるものであろう……みたいな感じの本。

 で、この本には養蜂の歴史やミツバチの生態についての著者の愛に溢れた、とても興味深いエピソードも数多く載っていて、読んでて「ヤバい!ミツバチ飼いたい!」という思いがムクムクと沸き上がって来る事請け合い。更に文庫版には著者と訳者によるニホンミツバチ礼讃の言が載っており(曰く、その蜜蜂はセイヨウミツバチには無い妙味である。曰く、寄生虫に対する強い耐性がある。曰く、スズメバチに対してセイヨウミツバチは為す術なく虐殺されるばかりであるが、ニホンミツバチは敵を大群で包みこんで蒸し殺すという独特の攻撃システムを持っているetc...)、「ヤバい!ニホンミツバチ飼いたい!」という思いが個人的にムクムクと湧き上がってた所に、書店の棚をボーッと眺めてたらこんな本が。

 「へー」と思いつつパラパラと流し読みしてたらスズメバチ対策についての項を発見。さしものニホンミツバチといえども、一匹や二匹ならともかく一定の数以上のスズメバチの襲来には耐え切れないようで、そうなるとパニック状態に陥って巣が全滅する恐れがある。なのでスズメバチが来たら捕虫網でとっ捕まえて駆除しましょうと。で、捕まえたスズメバチをどうすれば良いかというと

“ハチミツ漬けに食べてしまいましょう”

 うん、初めて聞いた、蜂の子とかは知ってるけど、成虫を蜜に漬けて食うとか初めて聞いたよ!正確にはスズメバチを生きたまま蜂蜜に溺れさせて、毒だの何だの諸々のエキスを出させて、より滋養に富んだ蜂蜜にする……という理屈らしい。あとその過程についての動画も見つけた。

 ……ちょっと食ってみたいかも知れない。


まだ暑かった頃に代官山で撮ったミツバチ。ちなみにヒマワリは花蜜も花粉も乏しく、ミツバチには余り宜しくない花らしい。

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