2011年10月16日日曜日

2011年 J1第29節 浦和 vs 大宮


 まあ、ちょっとナビスコで調子が良かったからといって、世の中そう甘くは行かない。

 明らかに息を吹き返した甲府はまだまだ勝点を伸ばしていくだろう。そして、新潟とはもう相まみえる機会は無い。
 となると、勝てば大宮を降格圏に引きずり落とす格好になるこの埼玉ダービーはレッズにとっては最後の自力での浮上のチャンスであると同時に、今季のJ1においては降格クラブの残り一枠をほぼ決める事になる裏天王山であった。

 そして、レッズはこの一戦に負けた。ご丁寧に、試合後には監督が、そして選手が逆噴射を起こすという念の入れよう。

 昨年、自分は初めて「J1クラブが降格する瞬間」というのを生で目の当たりにした。それはポンテが涙ながらにレッズとの別れを吐露したあのホーム京都戦。他会場の結果次第では降格の可能性があった京都はしかし、傍目にはおよそ切羽詰まった感の伺えない、普段通りの(あるいはそれよりもやや肩の力の抜けた)リーグ戦のようにレッズと対戦し、そして敗れ、淡々と降格していった。無論、京都の選手たちはあの時点での彼らの出来る範囲で、死に物狂いに全力を尽くしたのであろうが、その気迫は数節後に同じ埼スタで行われた最終節でレッズを完膚なきまでに打ち破って起死回生の残留を決めた神戸とは比ぶべくもなかった。

 「成程、落ちて行くクラブとはあのようなものなのだな」と、昨年の暮れ、自分は一人得心した。

 そして、今年のリーグ戦におけるレッズから感じる空気は、昨年の京都と酷似している。

 今日、新潟は川崎を退け、レッズとの勝点差を6に拡げた。大宮と共に、安全圏に達しつつあると見ていいだろう。無論、まだ全てが決まった訳ではない。残り5節、甲府との勝点差は僅かに1、逆転のチャンスはまだ充分に残ってはいる。しかし、フロントと監督がレームダックと化した今のレッズが、ここから甲府を上回る勝点を重ねる事を想像するのは難しい。

 ビジョン無きフィンケの解任劇を仕立て上げ、ボランチの駒不足を無視して大金を叩いて前線の選手をダブつかせた見せかけだけの“補強”を行い、ただOBであるというだけで既にオランダとイングランドでその無能ぶりを満天下に知らしめていた男を監督に据え、その無能者が鳥栖・栃木相手に何も出来ぬ無様なPSMを経てシーズンを通じて内容も結果も乏しい虚無の玉蹴りを垂れ流し続けてもなお何ら手を打たず、ただレッズという名の船が沈むのを傍観し続けた者たちが居る。

 とうに覚悟は出来ている。そして、ただただ虚しい。


 最後に天皇杯2回戦、宮崎産業経済大学戦の写真を幾つか……










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